前回は、中1数学「正負の数(知識問題)」の解説を扱いました。
今回はその第二弾として、正負の数(加法減法)の解説になります。
いかにして、計算ミスを減らすかにポイントを絞っています。
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<こんな人におすすめ>
・数学の内申4以上を目指したい
・中1数学を指導している塾講師
・中1数学の予習をしたい小学生
・中1数学の復習をしたい中学生
基本的な内容ですが、数学が苦手な生徒の多くは順序や決まりの理解が不十分です。
また、伸び悩む生徒は、無駄が多い、計算ミスしやすい解き方の癖が付いています。
抜け漏れや勘違いをして覚えている所がないか、点検するつもりで解いて下さい。
(内容自体は簡単です)
・正確さ(手順の理解)×丁寧さ(途中式)×処理速度(暗算力)
計算能力を高めていく上で、私が重要視していた点です。
数学の成績を上げていくためには、どれも重要な項目です。
意識しながら次の問題に取り組み、解説に進んでください。
例題
・3題あるので実際に、ノート等で解いてみてください。
・★は難易度を表しているので、目安にしてください。
練習問題(1)★☆☆☆☆
\(次の式のカッコを外しなさい。\) \(~~~~~~(-5)+(-5)-(-5)-(+5)+(+5)\) |
練習問題(2)★☆☆☆☆
\(次の計算をしなさい。\) \(~~~~~~(-39)+(-45)-(-51)-(+75)+(+95)\) |
練習問題(3)★★☆☆☆
\(次の計算をしなさい。\) \(~~~~~~(-\frac{3}{8})+(-\frac{5}{6})-(-\frac{7}{3})\) \(-(+1.25)\) |
解説
今回の単元(計算)で重要なのは、合っているか否かよりも「手順」です。数学試験における失点の大半はミスによるものです。
ミスをするのには、それなりの原因があります。答えにたどりつくまでに、ミスをする可能性はできるだけ除く工夫が必要です。
手順や式の書き方が、だいたい一致していれば大丈夫ですので、自分の途中式と見比べてみて、取り入れられそうな部分は取り入れてください。
(1)の解説と攻略のポイント
確認すべきところは、簡単です。
カッコの内と外を見てください。
\(~~~~~~(-5)+(-5)-(-5)-(+5)+(+5)\) |
〇…カッコ内の符号のみ
→カッコ内の符号のまま
〇…カッコ内外が異なる符号
→-(マイナス)になる
〇…カッコ内と外が同じ符号
→+(プラス)になる
非常にシンプルなルールですので、サクッと覚えて癖にしましょう。
ちなみに、念のため、
ここでこの問題を扱った理由はコチラです。
(興味がない人は飛ばしてください)
\(~~~~~~(-8)-(-5)=(-8)+(+5)\) \(~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~=-(8-5)\) \(~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~=-3\) |
学校では一番最初、このような習い方をします。詳しい手順説明は省きますが、実際に問題を解くときは、「減法は加法に直して…」なんてこと誰もやりません…。
じゃあ、なんで習うんだよー
と思われるかもしれませんが、私も同感です。理由はさておき、混乱の原因になるケースも多く見てきましたので、「これはこれ」として分けて理解できれば十分です。
詳しい説明はコチラをどうぞ
:正負の数の加法と減法(中学校数学学習サイト)
(2)の解説と攻略のポイント
カッコの外し方については触れたので、次は計算手順です。
\(次の計算をしなさい。\) \(~~~~~~(-39)+(-45)-(-51)-(+75)+(+95)\) \(~~~~=\) \(-39-45\) \(+51\) \(-75\) \(+95\) \(~~~~=\) \(-159\) \(+146\) \(~~~~=\) \(-13\) |
カッコを外した後は
・負の数と正の数をそれぞれまとめる
(チームごとに集合するイメージ)
・絶対値の大きい符号を書き差を求める
(正と負で勝負をするイメージ)
途中式をみると、このように左から順に計算していくパターンをよく見かけますが、あまりお勧めしません。計算回数は同じですが、足したり引いたり1回1回判断しなければならず、途中式も分かりにくいので、もし癖がついていたら、直した方が良いでしょう。
(3)の解説と攻略のポイント
分数と小数が混ざった加法、減法の計算です。
基本的には、
・カッコを外す→チーム分け→勝負
この流れに従って進めていきます。
まずはカッコを外し、小数を分数に揃えるところまで。
\(次の計算をしなさい。\) \(~~~~~~(-\frac{3}{8})+(-\frac{5}{6})-(-\frac{7}{3})\) \(-(+1.25)\) \(~~~~=-\frac{3}{8}-\frac{5}{6}+\frac{7}{3}\) \(-\frac{5}{4}\) |
ここからチーム分けですが、その前にこのように通分しましょう。
\(~~~~~~(-\frac{3}{8})+(-\frac{5}{6})-(-\frac{7}{3})\) \(-(+1.25)\) \(~~~~=-\frac{3}{8}-\frac{5}{6}+\frac{7}{3}-\frac{5}{4}\) \(~~~~=\) \(\frac{~~-9~~-20~~+56~~-30~~}{24}\) |
分母の(8・6・3・4)の最小公倍数24で通分し、分子はこのように1本線の上にすべて並べてしまいます。あとは分子の計算をするのみです。
\(~~~~~~(-\frac{3}{8})+(-\frac{5}{6})-(-\frac{7}{3})\) \(-(+1.25)\) \(~~~~=-\frac{3}{8}-\frac{5}{6}+\frac{7}{3}-\frac{5}{4}\) \(~~~~=\frac{~~-9~~-20~~+56~~-30~~}{24}\) \(~~~~=\frac{~~-~~59~~~~+~~56~~}{24}\) \(~~~~=-\frac{1}{8}\) |
特に習い始めは、見慣れない分数の形ですが、後々増えてくるので早々に慣れた方がよいです。また、計算ミスを減らすことにもつながります。
・マイナスを書く位置(真ん中)
・約分
初歩的な内容ですが、失点の原因になるので最後まで確認しましょう。
解説のまとめ
今回は計算中心の内容でした。計算はとにかく手順理解といかにシンプルに解くかが正答率UPのポイントです。
正しい型を身に付けるためには、意識しなくてもできるよう、たくさん練習を積むことが重要です。ここは頑張りましょう。
<加法と減法まとめ(正負の数)>
分数小数がない場合:
・カッコを外す
・項をまとめる
・符号を決定し差を求める
分数と小数がある場合:
・基本的には分数にそろえる
・通分したら1本線に乗せる
練習問題と参考書
<中学校数学学習サイト>
・正負の数(加法)
問題量が豊富で印刷可能、すぐに解答を確認できるのでお勧めです。
終わった人は、総合問題(基本・標準)にチャレンジしましょう。
<参考書>
こちらは、塾講師時代にテスト対策序盤で頻繁に使用していた教材です。
他に気に入っているのがあれば、それでも構いません。
・中学教科書ワーク 東京書籍版 新編 新しい数学 1年 (日本語) 単行本 –
購入時、未成年の方は保護者の方に必ず確認してましょう。
「〇〇版」の部分を自分の教科書に合わせて変更することをお忘れなく。
(一覧を掲載した記事もあります。記事最下段。)
30代会社員、web.contents.creater&ヨモギ研究家。参加サークルで小説を書いている。塾講師歴10年、2019年退社。その経験を活かし、教育関連のコンテンツや記事を作成。
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